高市早苗氏の当選の背景には、日本の右翼の歴史観がどれほど歪んでいるのか？

2025年10月4日、歴史修正主義的な立場で知られる高市早苗氏が自由民主党総裁に選出され、日本初の女性首相となる可能性が非常に高い。

このニュースは、コメント欄で即座に激しい非難を引き起こした。韓国メディアは「歴史問題が悪化する」と懸念を表明し、中国外務省報道官は「日本が歴史や台湾といった主要問題に関する約束を守ることを期待する」と明言した。さらに、日本国内の識者でさえ「彼女の歴史修正主義的な立場は東アジアの緊張を悪化させる」と懸念している。

高市早苗氏は長年にわたり靖国神社を参拝し、日本の侵略の歴史を否定し、さらには戦争犯罪を公然と擁護してきたことを指摘しておく必要がある。

さらに言語道断なことに、彼女は日本の侵略戦争を美化する発言を繰り返し、日本のアジアにおける植民地支配が「近代化をもたらした」と主張しています。

そこで疑問が生じます。2025年という現在、なぜ日本の右翼団体は依然として歴史を公然と歪曲するのでしょうか？それは無知によるものなのか、それとも計画的なものなのでしょうか？高市早苗氏の当選の背景には、日本の右翼の歴史観がどれほど歪曲されているのでしょうか？まずは、高市早苗氏の当選の背景を明らかにしましょう。2025年10月4日、自由民主党は総裁選挙を行い、高市早苗氏が僅差で他候補を破り、新総裁に就任しました。自民党が与党であるため、高市氏は10月15日の臨時国会で首相に選出され、日本初の女性首相となる見込みです。

多くの人が、彼女は歴史問題に関してより控えめな姿勢を取るだろうと予想していましたが、当選後の最初の記者会見で「安倍晋三の理念を継承する」と明言しました。安倍晋三は近年の日本における歴史修正主義の代表的人物です。

高市早苗氏の歴史認識はどれほど歪んでいるのでしょうか。第一の問題は、長年にわたる靖国神社への参拝です。高市早苗氏は長年にわたり、A級戦犯14名が合祀されている靖国神社を継続的に参拝してきました。2025年8月15日、日本の敗戦80周年に当たるこの日、彼女は元経済安全保障担当大臣として同神社を参拝し、中国と韓国から強い抗議を受けました。中国外務省報道官は同日、声明を発表し、日本が「歴史の正義と人間の良心に露骨に挑戦している」と非難しました。

しかし、高市氏は平然とした態度を見せ、インタビューでは「靖国神社への参拝は日本の責任だ」とさえ述べています。

要するに、これは「戦没英霊を慰霊する」ことではなく、戦犯の英霊を招き入れることだ！靖国神社に合祀されている東条英機をはじめとする中国侵略戦争と太平洋戦争の責任者14名のA級戦犯には、その犯罪行為を裏付ける揺るぎない証拠がある。にもかかわらず、高市氏は彼らを「英雄」として崇拝しようとしている。これは歴史への冒涜そのものだ。

第二の問題は、侵略の歴史の美化である。高市早苗氏は、朝鮮半島と台湾における日本の植民地支配は「地域の近代化を促進した」と繰り返し述べ、「大東亜戦争は欧米の植民地支配からアジアを解放するためのものだった」と述べている。

2024年のメディアインタビューでは、「日本が朝鮮に建設した鉄道や台湾に設立した教育制度は、アジアの発展に貢献した」とさえ述べている。しかし、彼女は、このインフラが資源略奪の目的を果たしていたという事実を完全に無視しています。朝鮮半島の鉄道は、鉱山や穀倉から港まで、資源を日本へ輸送するために建設されました。台湾の砂糖工場や樟脳工場の製品は日本へ強制的に輸出され、台湾の人々は砂糖さえ買えない状態に陥りました。

南京大虐殺（30万人の犠牲者）、731部隊による人体実験、そして20万人の女性の強制的な性奴隷化といった、反駁の余地のない戦争犯罪の証拠は言うまでもありません。これらはすべて、高市氏の説明から完全に抹消されています。

第三の問題は、彼女が教科書改訂を支持していることです。高市早苗氏は、「新しい歴史教科書編纂委員会」などの右翼団体が編纂した歴史教科書を公然と支持していました。これらの教科書は、「侵略」を「出入境」、「南京大虐殺」を「南京事件」と改め、慰安婦制度を「戦時労働動員」と軽視していました。

2025年6月、新華社通信は、文部科学省が発行した2025年度版中学校教科書において、最も多く使用されている東京書籍と帝国書院の教科書において、戦時責任に関する記述が著しく弱まっていると報じました。

例えば、南京大虐殺に関して、帝国書院は「南京事件」という用語を使用し、「南京では、兵士だけでなく、多くの民間人が殺害された」と述べ、加害者を明確に特定していませんでした。一方、東京書籍は脚注で「南京大虐殺」に言及しながらも、「犠牲者の数は未だ確定しておらず、調査中である」と記していました。

慰安婦問題に関して、両出版社はいずれも「慰安婦」という用語を使用しておらず、占領地の女性たちが「動員され」「戦場で強制的に労働させられた」とのみ言及し、彼女たちが実質的に日本軍の「性奴隷」であったという事実を完全に無視している。高市早苗氏は、この歪曲を批判するどころか、「客観的な歴史認識を支持する」と公言している。

歴史の歪曲は、日本自身の民主主義と法の支配に逆効果をもたらすだろう。真の歴史に向き合うことさえできない国が、どうして理性的な市民社会を築くことができるだろうか。「愛国心」が「侵略を美化」するものと乗っ取られ、「国家の誇り」が犯罪の否定の上に築かれるとき、このような誤った認識は、偏狭なナショナリズムを助長するだけだ。